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68年ストラトのピックアップ交換(検証編)

ギタリストって、他のパート以上に音作りをマニアックに追求する人って多めですよね。まぁ、私もその一人なのでしょうが。

 パーツを取り付けて音が出たら、そこからが長い旅のスタートです。とりあえずは、自宅の練習用アンプもどき(SUNSAMP FLY RIGとZoom MS50経由でFostexのモニターに繋いだだけの簡易セット)で音を出します。が、何だか最初から「違和感がない音」が出てきてビックリ。もちろん、最初はピックアップの高さもバラバラなのでその調整からですが、その時点で聴き慣れた音なんです。厳密にはハイが少しおとなしめで、カチッとした音かな?という感もあるものの、高さを調整をしながらいろいろ弾いてみてもとても自然です。

 そして、一通りの高さ調整を終えた後、色々と検証をしていきます。まず、これまでの回路で録音していた音源があるのに気づいたので、その比較実験を開始します。録音していた曲は、The VenturesのYellow Jackets。アレンジなどの出来がイマイチだったので公開しないまま放置していたものです(実は、そういう「ボツ録音」は結構な数あるのですが、たまたまこの曲だけ、珍しくFenderで演奏していました)。

 で、録音してみる明らかに高音が落ちています。ただ、その原因は単純ミスで、繋いでいたギター・ケーブルにありました。練習では、シールドが絡まなくて便利なのでProvidence社のカールコードを使っていますが、この手のケーブルはデメリットとして高域成分など音質が劣化しています。そこで、ライブで使っているケーブルに取り替えて音質の変化をチェック。結果、最近愛用しているモガミ社のケーブルが一番しっくりきました。ピックアップから、パソコンに取り込むまでの機材は下記の通りです。

  1. ピックアップ→ボリューム配線材:Western Electric 20GA
  2. ボリューム→出力ジャック配線材:Western Electric 22GA
  3. ギター出力→オーディオインターフェース:MOGAMI 2434
  4. オーディオインターフェース:ONYX BlackJack
  5. パソコン:Apple iMAc
  6. 取込アプリ:Logic Pro X

Logic画面 この構成で録音してみたところ、私レベルの耳では「同じギターの別テイク」位にしか聴こえません。なので、曲の一部を1小節毎に分割して写真のように交互に弾くよう編集しました。そこまですると、耳をすまして聴けば、演奏の所々で「あっ、これ新品の方だ!」と感じられる箇所を見つける事が可能となりました。でも、そこまでやってその程度の違いなんです。マグネットもコイルもケーブル類も「全部新品に入れ替わっている」のにです。確かに、トモ藤田さんが言われるように「ヴィンテージのピックアップを本当に理解されて新しいパーツであの音を作られるのが世界中で岸本さんだけです。」はホント実感しました。この絵の部分の音って、こんなのです。小節毎に新旧のピックアップが切り替わってるの判りますか?

 音が硬いのは、取り付けて未だ2日目であり、グリニングドッグの岸本さん曰くも「ワイヤーが馴染むまで多少時間が掛かるかもしれません…」とのことで、ギターピックアップもスピーカーやイヤホンと同様に「エージング」で化けるかもです。考えてみればマグネットにコイルを巻いて、音の振動を伝える点では同じですものね。また、バンドで大きな音を出してみないと判らない部分も多々あるかと思われます。バンドのリハーサルやライブを経て、結果をまた後日に検証していきたいと考えています。

ではまた。

68年ストラトのピックアップ交換(組込編)

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 まずはストラトのピックガードを剥がしてみます。改めて構造をよく見ると、ビンテージワイヤでの配線や無駄無いハンダ付けがとても素敵! 一方で、剥がしたあとのボディ内部は、暫く手入れしていなかったので汚れやゴミ、ポールピースのサビなどが気になります。そこで、今更ながら「ご苦労さん」とボディやピックガードの掃除をひとしきり。
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 その後、Vanzandtに付いていたピックガードにパーツを仮ドメを始めたところでグリニングドッグさんから「L 60s Style」のピックアップセットが届きます。ポールピースやボビンの形状は同じですが全て新しいもの。しかし、それに付いているオプションのウエスタン・エレクトリックのワイヤがとても素敵!

で、これを見て急遽の方針変更「その1」が発生。配線用のワイヤも購入したベルデンを急遽止めてウエスタン・エレクトリックのビンテージワイヤを色々探して入手して交換。ストラトの内部配線はVanzandtで経験していましたが、内部はかなりのキツキツ配線。柔軟性に少し難もあるビンテージケーブルは少しのトラブルがあったものの、何とか再配線を完了しました。
ところが何故かトーンが効きません。作業準備で買っていたテスターで調べていくと、新品で買ったCTSのスイッチポッドに接触不良。仕方ないので、方針変更「その2」としてオリジナル配線通りに組み直して配線を完了できました。ただ、色々と悪戦苦闘したので元々固くて融通の効かないビンテージワイヤーはメロメロ。一通りの通電テストの後、無理やりギターに押し込んでようやく音出しテストを開始します。
続きは検証編にて。

68年ストラトのピックアップ交換(準備編)

使い始めて50年になる私の68年製ストラトキャスター。フレットやナット、ブリッジ、ピックガード等々、多くのパーツを問題が出た都度に入れ替えてきましたが、ピックアップから出力ジャックに至る電気系は購入時からどこも入れ替えせずに使えていました。流石にボリュームポッドは、時々ガリノイズが出ていましたが、これも接点復活剤などで復活させると復旧できていました。

 ただ、ここ数年はピックアップコイルの緩みからかハウリングが酷くなり始め、ピックアップカバーの共振を防ぐ処置をしたり、演奏中にもトーン・ボリュームを弄ったりで何とか逃げていました。でも最近では、3つのピックアップのバランスも崩れてきて、ボリューム・トーン操作も限界に達し、重い腰を上げて根本対策を打つこととしました。
当初に考えていた対策は、以下の3つ。

  1. 新しいピックアップにすべて入れ替える
  2. ピックアップを巻き直す(リワインド)
  3. ピックアップを含浸処理する(ポッティング)

 どれも私の経験したことが無い事で、独りで悩んでいましたが、65年製ストラトの愛用者でもあるトモ藤田さんのYoutubeを見て、グリニングドッグ工房さんを知りそのオーナー・岸本さんにご相談して非常に的確なアドバイスを頂け、1案の「ピックアップの全交換」に挑戦することになりました。岸本さんは、屈指のピックアップビルダーでトモ藤田さん曰く「ヴィンテージのピックアップを本当に理解されて新しいパーツであの音を作られるのが世界中で岸本さんだけです。」とのこと、もちろん68年頃のストラトにも造詣が深く「L 60s Style」というセットを、少し時間が必要ながら作って頂くこととなりました。お値段も、手巻きのピックアップなのにとてもリーズナブルです。

 ピックアップ入手まで時間が出来ると、今迄ストラトで出来ていなかったことを…と妄想は膨らんでいきます。先ずはパーツの入手からと、サウンドハウスさんに諸々発注。比較的目立つピックガードは「いかにも新品」となるのは避けたかったので、Vanzandtのものを流用することとして、替わりにこの子には鼈甲柄のものを選んで交換作業を完了。ピックガードだけの交換なので、すべてのネジ類を剥がして付け替えれば完了ですし音もそのままなのですが、見た目の印象は一変して渋い感じが滲み出てきました。まずは第一段階は大成功!
Vanzandtは色々と改造してきましたが、イメージ的には今回が一番鮮烈でした。詳しくはこちら
 そして、いよいよ本丸のFenderピックアップ組込に。


iRealって何?:最終回 Logic連携

いよいよ「iRealって何?」シリーズも最終回です。最後はiRealと少し離れていきますが、AppleのDAW(Digital Audio Workstation)である、「Logic Pro X連携」についてで閉めたいと思います。残念ながらメロディは記録できないiRealなので、DAWで曲を仕上げておくと、後々マイナスワンも簡単に作れるので便利です。

前回、iPadのアプリ連携機能を使うとGarageband等との連携が簡単に行えると説明しました。では、何故簡単に繋がって無料のGaragebandだけで曲作りしないのか?というと、「専用のDAWを使った方が、簡単に高品質に曲作りが行える」ことにつきます。それらの機能を列挙すると、Logicに限らないですが、DAWは以下のような機能を標準で持っています。

オーケストラから民族楽器までの豊富な音源とループ素材、各種アンプからリバーブなどエフェクトとプロレベルのプリセット、ドラムやギターアンプシミュレーター等の外部プラグインの利用、リズムや音程の自動調整(ピッタリ合わせる/ズラせて人間味を出す)、何回も録音テイクを重ねた中から好いとこ取りする機能、音圧や音の奥行きを調整するマスタリング機能、等々

もちろん、簡単なレベルならGaragebandでも可能なんですが、MIDI出力して専用のDTM環境に持ってくることで「容易にお化粧」できるメリットは見逃せません。

では、実際にiRealからMIDIでDAWにデータを持ってきます。「共有 → オーディオで共有」と進み、保存形式を「MIDI」にするとiRealで指定した「テンポ、スタイル」でMIDIファイルが出来ます。これをDAWに持っていくだけでLogicへの取り込みは完了します。簡単ですね。しかも、今回背景に使った画像で判る通り、自動伴奏のドラムでも、ゴーストノートや強弱を色々使った「凝った打ち込み」であることが判ります。ただ、残念なことに、私の環境では何故か1拍目が空白で入ってズレてくるので、これは削除します。

ここまでくれば、後は追加のメロディラインを入れて曲を仕上げるだけです。そうそう、Logic Proを使った録音では、iPadの「Logic Remote」による操作補助や、IK Multimediaの「iRig Blueboard App」のMIDI制御を使って「足での録音開始・停止」もできます。
iRealが自動で作ってくれるバッキング・トラックって、イチから作るとかなりの時間と手間がかかります。それを簡単にやってくれ、その後の個人練習にも使える「iReal Pro」ってホント素晴らしいアプリだと思っています。

では、この連載はこのへんで終わりとします。ご購読ありがとうございました。

最後に、執筆時点での最新作を…

霧のカレリア

iRealって何?:第6回 いろいろと連携する

前回までで、iReal Proそのものの使いこなしに関しての説明は終わりとします。で、今回はiOS版iRealのいろいろなものとの機能連携についてご紹介していきたいと思います。

ミュージシャンがiOS機器、とりわけiPadを購入する目的の一つに「譜面ノートとして使いたい」というのがあるのではないでしょうか? 私も、昔は複数のノートに手書きで譜面を書いていましたが、書いて時間が経つと「前に書いたけど全然見つからない!」という経験をよくしていました。今では一部をPDF化したので、検索はもちろん、ライブの曲順に「プレイリスト」にすることも可能になりました。ところが、人間の欲望は限りなくて、今度は「手を使わずにページめくをりしたい」となるんです。まぁ、企業側は当然そこを狙っていて、何社かから「Bluetooth Foot Pedal」なるものが発売されています。Airturnや、iRig BlueTurnとかいう製品がそうです。これらは、ページめくりするする他に、演奏や録音のスタート・ストップなどにも使えるものもあり便利です。私は、4つのスィッチがついたBlueturnという製品を使っています。

ミュージシャンがiOS機器を使って遊ぶ際に、もう一つ欠かせないのがGarageBandなどの音楽録音・編集アプリではないでしょうか? 実は「iReal b」から「iReal Pro」に改名した際から、iOSのオーディオ連携機能となる「Audiobus」と「Inter-App Audio」に対応しました。機能の説明は難しいので、DTM界の重鎮・藤本健さんのブログ記事にリンクをつけましたので、そちらを参考頂ければと思います。GarageBandと連携についてYoutubeで動画解説している人もいます。

他には、MusicXMLで出力して楽譜編集する機能や、MIDIで出力して他のDTMで使用する機能などもあります。前者はやったことがないのですが、後者は私の場合「Apple Logic Pro」というDTMアプリを使っているので、それをシリーズ最終回としてご紹介します。

iRealって何?:第5回 コード譜を共有する

前回までで作ったコード譜を、異なるプラットホーム(iPhone/iPad/Mac/Android)や他の人と共有するにはどうしたら良いでしょうか? 実は、iRealには専用のフォーラムがあって、ここから「Jazz1300曲」や「Beatles71曲」などの先駆者のみなさんが作られたライブラリーを自由にダウンロードできます。iPhoneを使った具体的な操作方法は、先にご紹介した動画の通りです。(1:40秒位から、その解説が始まります)

でも、フォーラムで広く世界に公開するのではなく、内輪で共有するだけの時の方法も必要かなと思って今回ご紹介します。iOSで「共有」というとiCloudかDropboxではないでしょうか? 私の場合は、スマホがAndroidで、奥さんや娘が使うWindowsパソコンと色々な共有があるので、Dropboxをよく使っています。なので、ここではDropboxでの共有を例に記載します。共有するファイルは後述しますが「シンプルな文字のみ」の形式なので、NASやGoogleドライブなど他の方法でも同様に応用は可能だと思います。

共有の指定は、各プラットームのiReal「共有」アイコンから「コード譜を共有する」を選びます。そこで、iOSやAndroidなら「iReal Pro方式」を選択して保存先をDropboxにすれば完了です。Mac版なら「ディクスに保存する」を選んで、デスクトップなど適当なフォルダーを指定します。ちなみに、共有の方法が紙かPDFDなら「コード譜を共有する」選択画面で「PDF」を選ぶだけで完了します。iRealを持っていない人とのやり取りだと、この機能を使います。

Mac版を使いはじめてから判ったことですが、この操作で出来たファイルはWebサイトで使われる「html形式」なんです。なので、インターネットを介しても簡単に曲の共有が出来てしまいます。みなさんも、もしiRealをお持ちならこのサイトをご覧ください。多分、あなたのiReal Proに私が作った「The VenturesのBlue Star」を取り込めると思います。(もちろん不要ならスグに消して下さい)少しマニアックですが、仕組としてはURLに「irealb://」を使うという方法をとっているようです。たったこれだけの情報で曲の共有ができるなんて素晴らしい!

Mac版のiRealは、このアプリの便利さに気づくきっかけになりましたが、いろいろな機能を見ていくと「iRealを色々使うならiOS版がベスト」であることも実感しています。 次回は、iOSならではの機能連携について書いていくこととします。

iRealって何?:第4回 iRealでコード譜を作る(続き)

前回までで、コード譜の入力方法のあらましをお伝えしました。続きとなる今回は、私にとってMac版で解決出来た「3つの課題」についてお話します。その3つとは、
1. 操作していると小節がズレることがあるが、修正が判らない
2.「拍」の考え方が不明で、上手く伴奏できない時がある
3.ダルセーニョやコーダに何故か飛ばない
です。

挿入・削除

私がWordで作るコード譜は、基本一列に四小節区切りで、これはiRealの初期値でも同じです。しかも、iRealの場合は「m7」などのコード記号は「文字としてカウントしない」という利点があって、コードを入れていくのに便利です。しかし、最終キレイに整形するには「空白の削除と挿入」という作業が欠かせません。でも、私にはその操作が判りませんでした。前述のiRealマニュアルには、「”+>” adds a blank cell 」などと説明がありますが、iOS版にもAndroid版にも「+>」なんてキーは見当たりません。ところが、Macだと(まぁWindowsでもそうですが)メニューバーってのがあって、ここからマウスで「編集」を見ると「ビートを消去/組み込む」というのがあり、これを実現できました。さらに、よくよくメニューのショートカットキーを見ると、横にしたホームベースに「X」マークがあります。改めてiPadを見ると同じようなマークがあって、そこを押すと挿入・削除ができました。そのキー部分を、右側に画面コピーをつけておきました。

2番目ですが、ある程度コード譜は出来てくると、1拍だけで止める「ブレーク」やベース音で流れを作る「分数コード」を入れたくなってきます。でも、そこで納得できなかったのが「拍」の考え方です。これも、カーソルキーで一つずつ「ビート」を追えるMacで理解できました。とても巧妙ですが、例えばiRalで「48小節」の新規作成を行うと、「1行に4つのビートから構成される4つの小節が12行出来る」ということが判りました。すなわち多くの曲で使われる「4分の4」を利用した構成で「ビート=スペース=4分音符」だったんです。1小節を2つにすることも出来ますが、その場合はスペース1つが自動的に2分音符になります。変拍子の場合を除いて1列4小節でキレイなコード譜を作るには最適な考え方だと思います。調子に乗って、8分音符にも挑戦しましたが、これは出来ないみたいです。

最後に、Mac版では「ダルセーニョ(D.S.)」などの指定をしても、何故か飛びませんでしたが、どうもメニューから選ばないと動作しないのかもしれません。Mac版では「D.S.」のメニュー指定が無かったので手打ちしていたのですが…
どうも、他の機能も含め、最初に開発されたiOS版が最も多機能なようで、今度は逆にiPadでその動作を指定することで問題を解決できました。他にはテンポなどの指定組み込みもiPadの方が常にキチンと動くようです。

あれ? MacからiPadのiRealに「どうやって曲を移したの?」というのが、次回のテーマです。

延々と書いたのので、読みづらくなったかもしれません。今回はここまで。次回をお楽しみに!