VOX AC10C1

軽いアンプが欲しい。以前、Laneyアンプに望んだ時と同じです。当時は、30Kg近い重量のBoogie Mark IIが重くてその発想でしたが、体力の衰えから18Kg程のZinky NS-1でも重く感じてきていました。
そんな矢先、BOSSからNextoneシリーズの発表があり「これだっ!」と名古屋の楽器屋さんに入荷するのを待ちわび音出しテスト。でも、何かイマイチ心をくすぐりません。やっぱり真空管かなと、探している時に出会ったのがこの「デジマートの動画」。
VOXアンプって、AC30は70年代から何度も使ったことはありますが、アメリカンミュージック好きの私としては自分のアンプに考えたことはありませんでした。でも、この音とルックスで12Kgは素晴らしい。一応、他の動画をチェックしても、大体の傾向は同じで、ゲインを絞ればVox特有のクリーン・トーンも出せそうです。これに決めた!
ところが、2015年に発表されたこのアンプ。2019年現在では、ネットで調べてもあまり見つかりません。そんな中、Paul Reed Smithで有名な伊勢のギターズランドさんで新品在庫を発見し伊勢まで出かけてみました。ギターズランドの在庫は予想通り圧巻のPaul Reedと高級アンプのコレクション。お目当てのVox AC10もあって試奏しましたが、新品だけあって白く輝くアンプはインテリアとしてもいい感じ。自宅アンプで大事な「小音量時のノイズ」も小さく、トランジスタアンプで感じられなかった「艶」も十分。ゲインを上げると動画で聴いたガッツある音も一応出そうです。「電話頂けば送りますよ」との店主のお言葉に甘えて、一旦自宅に帰るも、やはり決意は変わらず間もなく購入しました。
自宅に到着して、愛用のZinky NS-1と鳴らし比べをすると、パワーは無いけれどノイズが少ないのは予想通りでしたが、どうも中高音の音の薄さが不足していることにスグ気づきました。残念です。そこで、ギターズランドの店主から「このアンプもJJとかの真空管に替えればもう少し良くなる」と言われたことを思い出します。名古屋で真空管のことならドクターミュージックでしょう!と、ご相談に伺いました。Morzyさんも、全く同じ意見で「安いアンプに多い”12AX7B”と思われるので、JJなどの”12AX7″がお勧め」とのことで、その場でJJとTung-solのECC83(12AX7)と、ついでにパワー管のJJ EL84も購入しました。
自宅に戻り、出荷時のCHINA製の12AX7B、そして手持ちのエレハモの12AX7とEL84、さらにJJの12AX7とEL84、Tung-solの12AX7とを取っ替え引っ替えテスト。これだけ選択肢があると大変です。まともな音にする為に真空管は熱くならないといけないし、抜き差しするには冷めていないといけないので…で、結果の前に秋葉原のアムトランスさんが出している、以下のTouTubeをご紹介。
エレハモ製12AX7EHCHINA製12AX7BJJ製12AX7
私の場合、最終的に初段管にJJ、フェーズインバータにTung-sol、パワー感もJJとすることにしました。エレハモは聴き慣れた音でしたが、VOXアンプの特性である甘めな音に対してパリッとしたJJにTung-solを混ぜることで「いい感じ」になったと思います。
ただそれでも、「もっと深い沼へ」と誘う悪魔の声が絶えません。ドクターミュージックでは、トランス交換と電源ケーブルを、お友達からもスピーカーケーブル交換を勧める声が出てきました。「メーター300円」の誘惑に負けて、オーディオテクニカ OFCスピーカーケーブルを、オヤイデの平型端子と併せて秋葉原の千石電商さんの通販で購入し付け替えてみました。確かに効果はテキメン! 一枚カーテンを取り去ったかのように瑞々しい出音に変わり大満足。
さらに、ここまで来たらもう一息。以前から気になっていた、アンプスタンドも購入することにしました。サウンドハウスさんからULTIMATEのギタースタンドを買って設置。スピーカーと耳の位置が近づくことで、小さな音量しか出せない自宅練習時にも充分な迫力が伝わるようになりました。そして、ようやくここで一段落。トランス/スピーカー/電源ケーブルは、全部揃えるとアンプの購入金額を超えてしまうので、今はひとまず保留して本来の目的だった自宅練習に精を出すこととします。