Zinky Nancy Sound AMP NS-1

かなり長い名前ですが、私のギターの面倒をみて頂いている「Nancy」が、アメリカの Zinky Electronics社(当時)に製造を依頼して作られたアンプです。
Zinky Electronics社を設立したBruce Zinky氏(以下親しみを込めてジンキーさん)は、タバコの箱に入ったZinky SMOKEY AMPでも話題を呼びましたが、その後一時期フェンダーのアンプ・カスタムショップにも招かれ、Vibro King等の開発にも参加されていたようです。
このアンプ、ゲインとボリュームにトーン、 リバーブという4つのつまみだけというシンプルな構成ですが、ライブ状況によってはマスターボリュームはあると便利。トーンも11時から2時位までしか私は使いませんが、非常に効きがよく操作も簡単。その上、私には必須の高品位なリバーブがあって言うことなし!
オールドアンプには無かった、ステンレスのキラキラ光るシャーシに収められたアンプ部は、 背面にジンキーさん本人のサインが手書きで書かれ、中には立派なトランスが目を引きます。私は電気や音響の専門家では無いのですが、経験上立派なトランスは音や信頼性の確保に大きく影響していそうです。
真空管構成は、プリとリバーブに12AX7/T7を4本、パワーにEL84を2本という、真空管アンプとしては非常にフツーの構成で、「チューブ・レクチファイヤー(整流管回路)」も「クラスA」回路も採用していません。使っている真空管も、日本でもアメリカでも簡単に手に入る製品の代表格、Electro HarmonixとSovtekを組み合わせた構成で、 取り扱いマニュアルでは、これ以外の真空管を「使わないで」とまで指定されています。
キャビネットはバルチック・バーチの合板で、ジンキー・ホームページで、他の無垢素材や合板材と比べて、 いかにギターアンプに向いているかが延々と語られています。外観は、アメリカでの製品名の通り、全体がブルーのベルベットで覆われ、かなり大型のゴムの足が付けられています。
スピーカーはエミネンス社製の30cmカスタム・スピーカーを搭載。フェンダーを始めとするアメリカ製のアンプによく搭載されているこのスピーカーは、明るめで中域の張りだしがよく、効率も高いためアンプ本体の25Wという非力さを感じさせないことに成功しています。
最後にミュージシャンにとってとても大事な耐久性。
数年前に買って以来、何と全くのトラブル無しです。素晴らしい!
2015年4月追記:
このアンプ。今は製造中止になったそうです。
1チャンネルのFender系クランチが好きな人って、今は少数派なのかな?残念です。
2022年12月追記:
コロナもあってライブ機会が激減し、私の体力面からも重いアンプを持ち込んでまで演奏する気力がなくなったこともあって手放すことになりました。第二の持ち主に可愛がってもらえると幸いです。